米国小売業でオムニチャネル戦略の中心に位置付けられる「Click&Collect」とは?

日本ではO2O(オンライン・ツー・オフライン)というキーワードとともに、スマートフォンやWebサイトからリアル店舗への誘導施策が注目を浴びている。

オムニチャネル戦略の進展でリアル店舗と自社ECのシームレス化が進む米小売業

日本ではO2O(オンライン・ツー・オフライン)というキーワードとともに、スマートフォンやWebサイトからリアル店舗への誘導施策が注目を浴びている。

一方、欧米ではオムニチャネル(omni-channel)というキーワードとともに、チャネル間のシームレスな連携に注目が集まっている

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そのオムニチャネルの取り組みの中でも先進的な動きを見せているのが、NordstromやWalmartなどの小売業だ。単に店舗に誘導するということでなく、購買プロセスの中でどの接点からどの接点に移動しても最適な顧客体験ができるようにする試み(オムニチャネル)が始まりつつある。 なかでも、最近小売各社が取り組みを強めているのが、“Click&Collect”と呼ばれるサービスだ。

ネットで購入し、店舗で受け取る「Click&Collect」 ドライブスルー受け取りや受け取り専用のピックアップポイントが次々と

Click&Collect(C&C)は、ネットで注文した商品の受け取りを店舗や受け取り専用のピックアップポイント(遠隔宅配ボックスのようなもの)で受け取ることのできるサービス。

最近多くの小売業者でClick&Collectのサービスを開始しており、“ネット注文の3割~5割近くがこのClick&Collectを利用している”との声もある。

日本でもコンビニでの受け取りサービスなどを行っている企業もあるが、一般的な受け取り方法にはなっていないことを考えると、利用率の高さは非常に興味深い。 click-collect-omni-channel利用方法は至ってシンプル。

ネットで商品を注文すると、一定時間後(3時間から数日と各社によりバラつきがある)ピックアップ可能を知らせるのメールが届く。

添付されたバーコードを店舗やピックアップポイントでかざすと商品が受け取れるという仕組みだ。 米国では、ドライブスルーでの受け取りを可能にしている店舗も多く特徴的だ。

また、最近ではWalmartやASDAのように、Fedexの店舗網を活用したり、駅構内にピックアップポイントを設けたりと、店舗以外の場所での受け取りサービスを拡充する企業が増えている。

Click&Collectは、消費者にとっては配送料負担や受け取りのために自宅待機が必要ないなどのメリットがあり、一人暮らしや共働き世帯に評判が良いようだ。また、事業者にとっては配送コストの削減につながっている。

ネット販売事業者によるClick&CollectサービスやPUDOポイントプロバイダーなども登場

自社店舗網を持つ小売業者によるオムニチャネル施策として定着しつつあるClick&Collectだが、逆に最近はネット販売事業者がリアル拠点への進出という形で注目を浴びている。

Amazonは“Amazon Locker”と呼ばれる商品の収集・受け取り拠点を設置し、ネット販売事業者によるClick&Collectサービスの代表格となっている。

また、“Collect+”など、商品の収集や受け取りの拠点(Pick-up、Drop-off)サービスに特化したサービス事業者(PUDOポイントプロバイダー)なども登場してきており、EC事業の周辺サービスは今後も様々なサービス展開が期待できる。

宅配サービスのクオリティが高い日本において、Click&Collectサービスは定着するか?

日本のEC事業者においても、以前よりコンビニ受け取りなどの配送オプションを昔から提供している企業は多い。

ただし、宅配サービスのクオリティ(時間指定の細かさ、再配達の利便性など)や宅配ボックスの設置率(2000年以降に建設された新築マンションでは標準的とも言われる)の高さからか、あまり注目されるような施策とは思われていない。

日本でのClick&Collectのようなサービスが広まるとすれば、米国とは少し違った形になるのかもしれない。 例えば、今後、生鮮食品などのネットスーパー利用が多く広まるのであれば、自宅外受け取りサービスへの注目が集まるかもしれない。

こういった生鮮食品類は、既存の宅配サービス事業での配送が難しく、事業者が個別に物流を行っている場合が多い。一方で、各家庭まで届けようとするとどうしても受け取りまでの時間をある程度長めにとる必要が出てくる。

午後に注文した食品を、夕食の時間までに受け取りたい、というような消費者もいるだろう。それであれば、近所のコンビニエンスストアで受け取るサービスなどはニーズに合致するかもしれない。

購買チャネルのシームレス化というOmni-channelの施策は各社が今最も力を入れている領域だ。今後も様々な取り組みに注目していきたい。

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