デジタル時代の消費者がもたらす6つの変化 iConsumer:Digital Consumers Altering the Value Chain

世界で最も有名なコンサルティングファーム、マッキンゼーが今年の4月に「iConsumer:Digital Consumers Altering the Value Chain」というレポートを発表した。

マッキンゼーがデジタル時代の消費者がもたらす6大トレンド「iConsumer:Digital Consumers Altering the Value Chain」を発表

20130829-iConsumer 言わずと知れた世界で最も有名なコンサルティングファーム、マッキンゼーが今年の4月に「iConsumer:Digital Consumers Altering the Value Chain」というレポートを発表した。 マッキンゼー(Ewan Duncan、Eric Hazan、Kevin Rocheによるレポート)iConsumer:Digital Consumers Altering the Value Chain」PDF(英語版)ダウンロード
消費者行動は、“デジタル”がもたらす行動によって、世界中どこの国においても急速に変化しつつある。米国においては、ほぼ半数(48%)の動画閲覧が、“タイムシフト(録画もしくはビデオオンデマンド)”か、もしくはノートPC、タブレットPC、スマートフォンなどに“デバイスシフト”している。 Consumer behavior is rapidly changing, with “digital” activities growing rapidly in every sphere. In the US, nearly half (48%) of all the video we watch is now either “time-shifted” (using DVRs or Video-on-Demand), or “deviceshifted” onto our laptop, tablet or mobile phone screens.
という導入から始まるレポートでは、デジタルがもたらす消費者行動の変化を6つ取り上げ、事業への大きな環境要因となって強い影響を及ぼすだろう、と解説している。その6つのトレンドを紹介してみたい。

1:デバイスシフト(端末の変化):PCからモバイル/タッチデバイスへ

スマートフォンは既に米国において6割の普及率を誇り、ユビキタスが急速に現実のものとなりつつある。インターネット回線を保有する家庭の3割以上がタブレット端末を保有しており、この数字は実は発展途上国においても大して変わらない状況だ。携帯電話とタブレットは、コンピュータ利用時間の44%を占めていると言われ、2008年から見るとほぼ倍になっている。

2:コミュニケーションシフト(コミュニケーションの変化):音声からデータ・動画へ

コミュニケーション全体におけるEメールと電話の割合が80%から60%にまで減少してきている。その一方で、ソーシャルネットワーク上でのコミュニケーションは倍増しており、コミュニケーションの25%を占めるまでになってきている。5年前までは、携帯電話利用時間の6割が音声通話に割かれていたが、今日ではその割合は2割程度である。それらは、音楽ストリーミングや動画閲覧、ゲーム、Webサイト閲覧時間の増加という形で表れている。

3:コンテンツシフト:バンドルから断片化へ

検索機能によって、ロングテールメディアやコンテンツへのアクセスが容易になり、過去に価値が高かった“バンドル化(まとめて提供)”されていたコンテンツ(新聞やテレビ局など)は衰退しつつある。スマートフォンにインストールされているアプリ(そのほとんどが単体の目的のためにインストールされる)の数は過去4年間で倍増している。消費者のアプリへのお金の使い方はますます断片化しつつある。

4:ソーシャルシフト:成長からマネタイゼーションへ

SNSは、インターネット利用者の75%以上が利用しており、インターネット利用時間の25%を占めている。(ただし、減少傾向もみられる) とはいえ、サービス開始から10年もたっていないFacebookやLinkedIn、Twitterなどの成長スピードには目を見張るものがある。また、多くの企業がSNSを自社のマーケティングに利用しようとし始めている。こうした活動のROIが今後の注目となるだろう。

5:ビデオシフト:プログラム配信からユーザードリブンへ

テレビ視聴は絶対値では減少していないが、相対的には衰退しつつあるように見える。米国ではテレビ視聴は、動画視聴全体の65%にまでなってきている。ハードディスク録画視聴やPCでの動画視聴、ネットフリックス、Huluのようなインターネット経由コンテンツなどの視聴が大きく増えており、旧来型のマス広告に対して大きな影響となるだろう。

6:リテールシフト:チャネルからエクスペリエンスへ

大きな変化として見られがちなEコマースだが、小売全体の5%にしかなっていない。携帯端末の普及により、リアルであれオンラインであれ購買体験の変革こそが事業機会となるだろう。スマートフォン保有者の半数が、購買前の調査にスマートフォンを利用しているが、今後は購買までを含めた利用が促進されていくだろう。モバイルとリアルチャネルの融合(Retail3.0の時代)が大きな変化要因となるだろう。

顧客接点のデジタルシフトがもたらす新しいカスタマー・エクスペリエンスへのニーズが新たなビジネスの機会になる

消費者のモバイル化、デジタルコンテンツの変遷が新しい消費者の購買スタイルをもたらそうとしていることを定量的に示す示唆に富むレポートとなっている。リンク先の英語版PDFでは、より細かい調査結果なども含めて解説してあるので、ぜひ目を通してもらえればと思う。 Gartner「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年」をGoogleトレンドで分析してみた|デジタルマーケティングジャーナル 次世代的なCRMツールとしての「プライベートDMP」を考察する|デジタルマーケティングジャーナル