コンテンツデリバリーネットワーク CDN とは何か?変わりつつある導入メリット

コンテンツデリバリーネットワーク(CDN、Content Delivery Network)とは、Webサイト上のコンテンツ/Webページをユーザーにスムーズに届けるためのキャッシュサーバーのネットワークのこと。

コンテンツデリバリーネットワーク CDNとは

コンテンツデリバリーネットワーク(CDN、Content Delivery Network)とは、Webサイト上のコンテンツ/Webページをユーザーにスムーズに届けるためのキャッシュサーバーのネットワークのこと。

通常、WebページはHTMLファイルや画像ファイルなどがWebサーバー上に格納されている。ユーザーはブラウザにURLを入力することで、そのWebサーバーにアクセスする。

その場合、ユーザーとWebサーバーとの間に物理的な距離がある場合や、ダウンロードしようとするコンテンツが大容量の場合(画像や動画ファイルなど)、コンテンツが届いてブラウザに表示されるまで多くの時間がかかってしまう。

そうした時間ロスを削減するために、Webサーバー上のコンテンツのコピーを、世界中のキャッシュサーバーに同期させておき、ユーザーから近い拠点のキャッシュサーバーを閲覧させ、素早くコンテンツを表示する。こうしたキャッシュサーバーのネットワークをCDN コンテンツデリバリネットワークサービスと呼ぶ。

伝統的なコンテンツデリバリーネットワークの導入メリット

コンテンツデリバリーネットワーク CDNのような考え方は、新しいものではない。CDNサービスの老舗であるAkamai(アカマイ)は1998年に創業されており、インターネットの黎明期からサービスを提供している。

伝統的なコンテンツデリバリーネットワーク CDNサービスの導入メリットは、以下のようなものであった。

日本にサーバーがあるが、海外からの閲覧者が多いためレスポンスを速くしたい

今では想像しにくいが、2000年初頭くらいまでは、ダイヤルアップ回線などでWebページを閲覧するユーザーも多くいた。また、国によってインターネットインフラの発展が異なり、発展途上国などからのアクセスが遅延することも多かった。そのため、遅い回線からでも閲覧できるようにCDNを導入したりしていた。

動画などの重たいファイルが多いWebサイトのレスポンスを速くしたい

テキストベースのHTMLファイルであれば問題なく閲覧できる場合でも、動画や大きな画像などを閲覧する場合には非常に遅くなってしまう場合に、CDNを導入することでスムーズな閲覧をできるようにしていた。

変わりつつあるコンテンツデリバリーネットワークの導入メリット

上記のような伝統的なコンテンツデリバリーネットワークの導入メリットは、光回線が当たり前になり、サーバースペックも大きく向上した現在においてはあまり必要ないのでは、と感じられるかもしれない。

だが、コンテンツデリバリーネットワーク CDNを導入するWebサイトは減少するどころか増えているように感じる。その理由は、以下のような新たな導入メリットが注目されてきているからだ。

訪問時にHTMLを生成する動的CMSが増えた

WordPressやDrupalなどのオープンソースCMSは多くが動的にHTMLを生成する動的CMSだ。また、商用でもSiteCoreやHeartCoreなども動的CMSだ。

HTMLがあらかじめ生成されている静的CMSやCMSを使わずにHTMLファイルをWebサーバーにおいて置くだけなら、ユーザーのアクセス時のサーバー負荷は低い。

動的なCMSはユーザーがアクセスする度にアプリケーションが動いてHTMLページが生成されるため、アクセス時のサーバー負荷が高くなる。そこで、CDNを導入して、ページ表示の高速化・サーバー負荷の軽減をする。

検索エンジンがページ表示スピードを重視するようになった

Googleの検索順位には、ページの重さも加味されている。GoogleのPageSpeed Insightなどを試してみれば、Googleがページの読み込み速さを重視していることがわかるだろう。

ユーザーの体感速度には問題なかったとしても、検索エンジン対策として「より速くコンテンツをユーザーに届ける」仕組みを作り、SEO対策とする。検索エンジンのランキング向上のためにCDNを利用するというわけだ。

オリジンサーバーのセキュリティを高くできる

オリジンサーバーとは、キャッシュサーバーに対してコンテンツを配信するおおもととなるWebサーバーのこと。(キャッシュサーバーは、逆にWebコンテンツのコピーを格納しておくサーバーのこと)

このオリジンサーバーにユーザーが直接アクセスできないように、ユーザーは常にCDN キャッシュサーバーを閲覧するようにすれば、それだけオリジンサーバーのセキュリティが高まることになる。

IPアドレス制限などで、オリジンサーバーへのアクセスは、管理者の固定IPアドレスとCDNのキャッシュサーバーのIPアドレスだけにしておけば、オリジンサーバーに対して直接アクセスできるユーザーを排除することができるため、セキュリティの観点から有効だろう。

DoSなどの攻撃もキャッシュサーバーが捌いてくれればオリジンサーバーを攻撃にさらされないようにできる。

オリジンサーバーのスペックをミニマムにできる

CloudFlareやAWS CloudFrontなどフリーミアムor従量課金制のコンテンツデリバリーネットワーク CDN サービスがでてきたことで、サーバー投資の最小化にCDNが有効になってきた。

以前であれば、ユーザーアクセスのピークを想定してサーバーのサイジング(サーバーのスペックを決めること)を行なっていた。だが、従量課金型のCDNであれば格安の月額料金から始められるため、ピークの負荷をCDNで賄えるようになった。

例えば、更新頻度の少ないWebサイトの場合、AWS EC2 t1 microのような最小スペックのサーバーをオリジンサーバーとし、CloudFrontのCDN経由でWebページを配信する。キャッシュ保持期限を24時間・1週間などに設定すれば多くのアクセスがあっても十分に耐えられるようにすることも可能だ。

以上の他にも、「複数のサイトのドメインを統合管理できる」といったことも CDN コンテンツデリバリーネットワークの導入メリットだろう。

「コンテンツデリバリーネットワーク CDN はメディアサイトやグローバル展開サイトのもの」という先入観を捨て、あなたのWebサイトにもCDNを検討してみたらいかがだろうか。

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