BtoB企業が直面するマーケティングオートメーションにおける「逆ファネル現象」とは

マーケティングオートメーションの現場で見られる「逆ファネル」現象とはしかしこのファネルの上から下の流れが、マーケティングオートメーションの現場では「下から上に逆流している」ように見えるケースが多いと感じます。本来マーケティングが獲得すべき新規リードが営業から渡されている場合が多いのがその原因です。

アンダーワークスとしてマーケティングオートメーション支援コンサルティングを開始して2年半が経ちました。

成果がでたもの・でなかったもの、多くの反省と試行錯誤の中ではありますが、大手BtoB事業者がマーケティングオートメーションに取り組む際の共通課題も見えてきました。そこで少しづつでマーケティングオートメーションの現場課題について発信してみたいと思います。

今回はリードジェネレーション不足から陥る「逆ファネル」について。

「リードが上から下に移動していく」が通常のマーケティングファネル

マーケティングオートメーションへの取り組みに際して「マーケティングファネル」を考えない人はいないと思います。

漏斗に見立てたこのマーケティングファネルの概念では、顧客とのコミュニケーションがファネル上部から始ります。リードとの接点初期は多くのリードと接点を持ち横幅が広く、下に移動するほど(顧客の関心・購買確度が高くなるほど)その数は少なく幅が狭くなります。営業にリードが渡って「商談化」となるとますます幅が狭くなります。

このように、リードは上から下にに流れるのが通常のマーケティングファネルの姿です。

マーケティングオートメーションの現場で見られる「逆ファネル」現象とは

しかしこのファネルの上から下の流れが、マーケティングオートメーションの現場では「下から上に逆流している」ように見えるケースが多いと感じます。本来マーケティングが獲得すべき新規リードが営業から渡されている場合が多いのがその原因です。

「営業が名刺交換をしたリードに集客メールを送りセミナーに呼ぶ。セミナーに参加したリードにメルマガを配信し、クリック率を計測する・・・」これは本来意図したファネル上のリードの動きのまるで逆です。リードが下から上に動いているようにみえます。

これは、「リ・ナーチャリング(再育成)」として考えると無意味ではありません。確度が低いリードを営業からマーケティングに戻し、継続的にアプローチして接点を持ち、しかるべき時に再度営業に引き渡す、ということも重要です。しかし、「リードを創造する」というマーケティング活動のメインではありません。

具体的にはどのような逆ファネルが見られるのでしょうか。以下に典型的な2つの例を示します。

逆ファネル1:新規リードのほとんどが営業の名刺交換経由

1つ目は、リードの発生元が営業の名刺交換という「逆ファネル現象」です。

営業が潜在・既存顧客と名刺交換を行い、名刺管理ツールやCRMにその名刺情報を登録します。直後に、その名刺データはマーケティングオートメーションツールに連携され、その後はマーケティングオートメーションツールから様々なEメール(多くの場合一斉メルマガ)が配信されます。

こうしたリードが少数派であれば問題ありません。しかし、「MAに入ってくる新しいリードのほとんどが営業の名刺交換」というケースは多く見受けられます。前述のように、これは無駄な行為ではありません。営業が名刺交換したからと言って、それがすべてHOTリードとは限らないからです。

しかしこうしたリードが大半となると話は別です。デジタル接点から全く新しいリードが入ってこないのに、ナーチャリングだけを行おうとしている状態です。ファネルで言うと、上から水が注がれずに、下から注がれている状態です。すなわち、「営業が生み出したリードに対してEメールを送るのがマーケティング」という、逆ファネル現象になっているのです。

逆ファネル例2:新規リードの多くが自社セミナーへの申込み

2つ目の逆ファネル例は、新規リードの多くが自社・共催セミナーから始まるパターンです。

「自社セミナー経由でリードが増えるのは良いことなのでは?」と思われる方も多いかもしれません。確かに自社で開催するセミナーに新たなリードが参加すること自体は悪いことではないと思います。

ここで注目したいのは、そうしたセミナー参加者は「ナーチャリングを通じて、結果としてセミナー参加に至ったのではない」ということです。

自社セミナーへの参加は、ファネルでいうと下部、つなり確度が高くなったステージにいる場合が多く、多くの会社でHOTリードの条件にもなっています。わざわざWebから申込みを行い、実際にセミナー開場に足を運ぶ人は何らか具体的な興味・関心があるということなのでしょう。

つまり、「自社セミナーに参加する時点で、そのリードはHOTリードに近い」わけです。したがって、セミナー参加後にそのリードにメルマガを配信してクリックの状況を計測したり、どのWebページを見ているかを検知するよりも、HOTリードとして営業に引き渡すべきかどうかを検討すべきリード、になります。

つまり、「ある程度確度の高いリードに対して、ファネルの上部にいるリードを育成するような施策を行っている」という観点で「逆ファネル」だと感じられるのです。

マーケティングファネル

逆ファネルは概ねリードジェネレーション不足が原因

このような逆ファネルが発生する原因は、ほとんどの場合デジタル接点から新たなリードを生み出せていない「リードジェネレーション不足」です。もう少し具体的に見てみると、それはコンテンツ不足に起因しています。例えば、

  • カタログ型コンテンツから抜け出せず、製品情報ばかりのコンテンツ
  • あいまいなニーズ・顧客が抱える課題に応えるコンテンツの不足
  • 事例やホワイトペーパー・トライアルなど顧客情報を取得できるキラーコンテンツの不足

などです。そして、従来型のWebサイトリニューアルを行っても、デザインやナビゲーションの改善ばかりに注力し、新たなコンテンツ企画がなかなか行われない、という部分も注目しておくべきことだと思います。

顧客が具体的なニーズとして製品・サービス情報を検索し始める前の、「潜在的なニーズ」を持った段階からデジタル接点を持てるようなコンテンツ追加が重要になってきていると感じます。

 

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