日本企業で増加の兆しを見せる役職「CDO」とは?

日本のデジタルマーケティングやマーケティングテクノロジーよりも先を走っている国、エリアは、欧米地域であることは間違いないでしょう。世界的な最新情報やトレンドを知りたいとき、海外現地の記事を閲覧する必要に迫られることがよくあります。そんな海外現地のニュースサイトで、最近よく目にする3文字英語が「CDO」です。

3つのCDOそれぞれの意味とは?

CDOで表される役職は、実は3つあることをご存知ですか?それは次の3つです。

  1. 最高データ責任者(Chief Data Officer)
  2. 最高デジタル責任者(Chief Digital Officer)
  3. 最高デザイン責任者(Chief Design Officer)

まずはそれぞれの役職について説明していきましょう。

1つ目の最高データ責任者は、組織内外のデータを利活用し、企業の意思決定に携わる存在です。データ活用やデータ分析の知識を重視するため、情報システム部門出身の方が、この役職に就くケースが多く見受けられます。 

2つ目の最高デジタル責任者は、組織のデジタルトランスフォーメーションを担う存在です。データ活用の知識を持ち合わせていることは当然のこと、加えてリーダーとしての素養や新たな事業の創造力が要求されます。欧米では、CEO(最高経営責任者)の後継者の候補に、最高デジタル責任者を担当する方が上がるほど、重要な役職とみなされています。  

3つ目の最高デザイン責任者は、組織の製品や自社のサービスにおけるデザイン全般を担う存在です。欧米では、顧客の本当の求める価値を追求し形にすること、すなわちデザインとして重要視されています。  

今回は上述の3つのCDOの中でも、特に最高デジタル責任者に焦点を当てて考察していきます。ここからCDOと記載するものは全て、「最高デジタル責任者」を指します。

転換・変革を目的にCDOを設置する日本企業

具体的にCDOの役割や責任、意味をイメージするために、CDOを設置した日本企業の事例を2つご紹介します。  

まずは、日本国内ではじめてCDOを雇用したことで知られる「日本ロレアル」です。日本ロレアルは、デジタルの普及を受け、研究開発中心からデジタルを活用した顧客中心への転換を目指し、CDOを設置しました。当時CDOの長瀬氏(現在はLDHに在籍)は、デジタルメディアへの積極的な投資やカスタマージャーニーに沿った戦略立案の実施等を行いました。(参考:日本ロレアルがCDOを設置した理由:デジタル時代の顧客中心主義とは[前編])  

次に、損保事業等を展開する「SOMPOホールディングスグループ」です。SOMPOホールディングスグループは、安心、安全、健康を提供するサービス企業への変革を目指し、CDOを設置しました。CDOを担った樽崎氏は、東京とシリコンバレーを拠点に、「SOMPO Digital Lab」を設立しました。そしてAIによる業務効率化を図る、同社の持つビッグデータを活用すべく「SOMPOデータ・プラットフォーム」を作成するなど、新たな施策を次々と打ち出しています。

このように近年、日本でもCDO設置の動きが進んでおり、特に重要な示唆は、「企業として転換・変革するという目的を持ってCDOを任命していること」です。

CDO CLUB JAPANが更新する「CDO Japan Talent Map」によると、日本国内でCDOまたはそれに類似の肩書きに任命された人は、2018年10月12日時点で48人です。みなさんはこの数を多いと感じますか?それとも少ないと感じますか?

日本企業がCDOを設置すべき理由

日本においてCDO設置が増加しつつあり、またCDOを設置する日本企業の事例を紹介しました。しかし、そもそも企業がCDOを設置すべき理由はあるのでしょうか?あるとしたら何なのでしょうか。筆者は「データを活用し、自らが所属する企業や業界の常識にとらわれない自由な発想で、新たな事業を創造できる存在が企業には必要だからだ」と考えています。

アナログからデジタルへの移行が進むことにより企業は、これまででは考えられなかった大量のデータを獲得できるようになりました。これら大量のデータを上手く活用しつつ、競合が思いつかないような戦略を練ることができれば企業の利益につながることは間違いありません。 そのため必要となる役割が、自由な発想で新たな事業を創造し、実行にまで移すことができる存在です。この点を担う役割がCDOなのです。

CDOを設置するために必要なことはなにか?

CDO設置は企業にとって必要不可欠になってきています。しかし自社にCDOの設置がすることは遠い世界の話しと感じる方も多いことでしょう。 CDOの設置を身近に感じるためには、以下2点を意識することが必要です。

  • CDOを導入する理由を明確にする(転換・変革し目指す世界)
  • CDOが必要であることを常に自社内啓蒙する

欧米では企業にCDOを設置することが当たり前になっています。(参考:Chief Digital Officer Study)そのため、日本企業は、数ある欧米のケースを参考にしやすい状態です。CDOを導入した先にある、素晴らしい世界を想像し、目指してみては如何でしょうか。

参考記事:

The jobs of CDO: Chief Digital Officer, Chief Disruption Officer, Oct 11 2017

増え続ける「CxO」。その増加の背景およびビジネスに与える影響とは

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