ターゲット企業を狙い撃ち。営業・マーケが一体となって進めるABMの基礎的な考え方とは

「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」は近年米国でバズワードになっており、その意味するところは、ターゲットを”個人”ではなく”企業”単位で捉え、受注から逆算してマーケティング計画を立てるという”戦略起点”の発想です。本記事では昨年開催したセミナーを踏まえて、ABMの基礎的な考え方のポイントをご紹介します。

ABMでターゲット企業を”狙いうち”

ABMの大きなポイントは、

・ 営業活動を強化したい重点企業リストを作成。 
・ 重点企業群ごとに適切な予算を配分した上でマーケ施策を打つ。

の2点です。

せっかくMAツールを導入していても、上手い使い方がわからず高額の「メール配信システム」になっていたり、メールマーケティングを実施しようとしていても、メールアドレスの母数が少ないためコンテンツを打ち分けられなかったり、なんていうことはありませんか。 これを防ぐには、自社が営業活動を始める第一歩としてマーケが営業と重点企業リストを握っておき、その重点企業のメールアドレス獲得を目指す『マーケ&セールスの連携体制』が重要なのです。

人も予算も限られる中で成果を出すには?

ABMは戦略・戦術の立て方のため、企業規模や業態を問わず導入すべき考え方です。

成果が出るやすい主な理由としては

 ・営業がフォローしたいリードが供給されるので営業フォロー率がUP する。
・コンテンツの質が上がるので反応率がUP することが大きい。

ことが挙げられます。

ある事例ではインサイドセールスチームにマーケが渡した営業リストの内、6割以上が直接のアプローチに繋がったという例もあります。

これは厳選したホットな営業リストにアプローチできたことが成功の要因であり、人も予算も限られる中、「すべて電話を掛けよう」とやみくもに動くより効率が良いですし、成果に繋がる手応えもあるため営業自身のモチベーションも上がっていく効果も期待ができるためです。

重点企業リストを定義し、施策を最適化

では具体的にどのようにABMを実現すれば良いのか。ここで進め方の一例を紹介します。

まず、左の三角形、営業と一緒に重点企業リストを作成し、重要度ごとに優先順位を3段階に分けます。 続いてその右に、未受注か受注済か、社内のデータベースにコンタクト先があるかどうかを整理しています。

このスライドで見ると、営業から重要度上と指定された企業は300社。内80社は受注済、その一方60社はメールアドレスの獲得もできていない、ということが分かります。 次に重要度中の企業群を見ると、700社中360社のメールアドレスが獲得できていません。

重要度の評価でかける予算に濃淡をつけるべきです。
例えば、下記の形で施策を使い分けよう、と考えられます。

  • 【重要度上】×【コンタクト先なし】 → 予算を厚めに設定・DSPと連携して広告配信。
  • 【重要度上】×【受注済】→ クロスセルを目的に他商材のセミナーに招待。
  • 【重要度中】×【コンタクト先なし】 → 低予算でも可能なWebレコメンドを実施。

このように、企業単位で

  1. ターゲットを絞る。
  2. 手持ちのデータベースと突合・精査し、時に広告を配信するなどして接点を増やす。
  3. 接触できた顧客企業の重要度やステージ別にエンゲージ施策を打つ。
  4. 施策に対する効果測定を行う。

これが、ABMの基本的な流れとなります。

一言に”KGI”と言っても指標はさまざま

ABMにおけるKGIの指標の設定は欠かせません。KGIは企業のビジネスによって見ているものも様々で営業への引き継ぎ数、受注件数などを月次でモニタリングしている会社もあれば、リード獲得数に対して受注数、営業対応や商談数がいくらか、という指標を測っている企業もあります。企業独自の営業活動に合わせてKGIを設定することが、マーケ&セールスを成功させるポイントです。

実際に運用している企業の担当者の方に話を聞くと「ターゲット企業群毎にどのような広告効果があったか測定し、より細かく広告を出し分けていきたい」とターゲット企業群毎に、次の一手を考えられるのもABM推進のメリットです。

ABMの目的はデータ統合でもツール導入でもありません。まずは、営業・マーケ一体となり戦略的に企業単位のターゲットへのアプローチ方法を模索することが重要です。

組織の壁に悩まれているマーケ担当の方も、ぜひABMの取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?

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