CMS導入後のWebサイトで陥りがちな運用課題の3つの原因

「CMSを新しくしたものの、意外と運用負荷が軽減されない」「長年同じCMSを利用しているにも関わらず、日々様々な運用課題を感じている」と言う担当者は少なくありません。

CMSの機能を最大限に活用しつつ、自社に即した運用を高次に共存させることは、非常に難しいのです。これまでの経験上CMSに関する課題の多くは、以下の3つに分類されると考えています。

1. CMSの機能を活用出来ていない

CMSの機能が活用出来ていない原因は、2つ挙げられます。

CMS側(カスタマイズ)の問題:CMS導入・構築時の不備があった

運用側の問題:新機能(新CMS)に体制として対応出来ていない

具体的な例をいくつか挙げてみましょう。

<CMS側(カスタマイズ)の問題の例>

  1. バージョン管理がテキストでは出来ても、ファイルや画像などのメディアアセットに対しては出来ない
    メディアアセットの過去情報がないことで、インシデント時に過去の状態を参照できない、過去の状態に戻せない、という問題が発生します。

  2. 公開予約機能があるにも関わらず、公開時間に誤差が生じる
    CMSに公開予約機能はなくてはならないものですが、意外と公開予約設定日時と本番反映が前後するというケースがあります。秒単位で公開時間を管理しなければならないWebサイトにおいては見逃せない問題です。

<新機能に対応出来ない運用側の問題の例>

  1. ワークフロー機能を設定しているにもかかわらず、ワークフローが現実と乖離している
    CMSにはワークフロー機能が搭載され、基本的に設定していると思います。しかし、CMS導入前後の違いをよく検討せずに、導入前の状態で設定してしまったり、別の承認システムやメール運用からの切り替えを検討せずに進めてしまい、二重管理になってしまうことがあります。

  2. マーケティング機能があるにも関わらず、まるで活用されていない
    マーケティング機能をいずれ使うだろうということで、選定の理由の一つに下にもかかわらず、思うようにターゲットを想定したシナリオ設計や、KPIの設定、定期的な数値の計測が出来ず、結果として宝の持ち腐れ状態になってしまうことがあります。

2. CMS運用マニュアル(Webサイト運用ルール)の不備

運用マニュアルは、悲しいことに軽視されがちで、恐ろしいことに最終更新日が10年前というケースも耳にします。運用マニュアルは、正しい手順でWebサイトを運用し、誤った更新を防ぐという目的で、重要な役割を担っていると理解することが必要です。

  1. CMSの動作不備・誤更新など緊急時の対応ルールが無い
    操作マニュアルのみならず、非常時に対応手順を逆引き出来るようなマニュアルを作ることが重要です。インシデント対応に遅れを取ってしまうことは、即座に事業リスクに通じてしまいます。

  2. コンテンツ削除のルールが無い
    コンテンツ配信のルールのみならず、コンテンツを非公開にする際に、「非公開の対応」か「削除の対応」かを定めておくことも重要です。このルールを定めるメリットは、次回のWebサイトリニューアルを容易にすることが挙げられます。どういうことかというと、定期更新時に不要なコンテンツを排除できるため、リニューアル時の移行精査が不要になります。日々断舎離することで、引っ越しが楽になるといったイメージです。 BtoB企業のコーポレートサイトのリニューアルの期間は、平均して6.4年*という統計データがあることからも、次回のリニューアルに備えることは、運用担当者には必須な考えと言えるでしょう。 (*出典:モノサス

3. CMS運用体制の不備

CMSはあくまでツールのため、運用体制を整えてはくれません。CMS抜きにしても成り立つ運用体制を自社で構築することが必要です。

  1. 公開前のダブルチェック体制の不備
    ワークフローを「作成者」と「承認者」のみの簡易的な2段階制のみにしてしまうと、責任の範囲が不明確になることがあります。当然「承認者」が承認するわけですが、「作ることを任せる」という理由から承認行為がおざなりになってしまうのです。 そのため、更新内容はワークフローに関わらず必ずダブルチェックする体制を構築することを推奨します。例えばIR情報などはただ一つの数値の誤差ですら致命傷になりえます。

  2. 運用側対応時間の不理解
    Webサイトの更新はすぐにできるものではありません。そこで通常の運用担当者が対応不可能な時の代替更新者の体制を整えておことをお勧めします。海外向けのWebサイトを持つ企業において、急な対応をしようにも時差で対応出来なかった、ということがインシデント発生後に発覚することもあります。プランBとしての体制は必須で構築するべきでしょう。

CMS導入後の運用課題を防ぐために理解すべきたったひとつのこと

運用課題が発生する理由は、「WebサイトリニューアルとCMS導入・入れ替えを同時に行う」ところにあると考えています。と言っても、「WebサイトリニューアルとCMS導入・入れ替えを同時に行ってはならない」ということではなく、「Webサイトリニューアルを言い訳に現状把握を行わない」ことが問題と考えています。ついつい新しくしてしまえば現状課題が解決しそうと考えがちですが、WebサイトリニューアルとCMS導入・入れ替えでリセットされることはありません。 きちんと現状の運用課題と向き合い、根本的な解決の意味でCMSを導入することが必要です。

理想の運用に近づくために必要なこと

自社のWebサイト運用で心当たりのある課題はありましたか?おそらく何一つ課題の無いWebサイト運用は、この世に存在しないと思います。着実に運用を改善していくためには、段階的に・継続的にWebサイト運用の見直し・改善を行うことが、最も近道であり確実な運用改善策となるのです。

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