グローバルのウェブサイトリニューアルプロジェクトを成功に導く秘訣

同じ言語、同じ文化背景、価値観が同じメンバーのチームでもプロジェクトを遂行するのはとても難しいのに、ましてや、言語が異なる、文化が異なる、価値観が異なるようなグローバルプロジェクトを発足・推進する難しさは想像に難くないでしょう。本記事では、共通言語がそれぞれの第2言語であったり、5、6カ国まで広がるまったく異なる文化背景の混成チームでプロジェクトを進める際に意識すべき3つのポイントをお伝えします。

グローバル化するリニューアルプロジェクト

「グローバル化するリニューアルプロジェクト」という言葉からどのようなプロジェクトを思い浮かべますか?これには2つのパターンが考えられます。

1. 企業自体がグローバル企業で、関わるステークホルダーが多国に渡る場合

グローバル企業では、様々な国においてビジネス展開しています。傘下には現地法人を持ち、概ね現地法人がビジネス活動を行っています。そのため企業としての顔とも言えるWebサイトは重要な役目を果たします。 1つの企業とは言え、Webサイトへの要望や考えはそれぞれの国や各法人ごとに存在するため、Webサイトのリニューアルを進める際には、必然的に各国のメインステークホルダーを巻き込み、それぞれの思いや意見を取りまとめてリニューアル方針を整理する必要があるのです。

2.  Webサイトの構築にオフショア開発ベンダーを利用する場合(中国やベトナム、インドなどのベンダー)

日本国内ベンダーの人手不足やコスト高騰により、オフショア開発に再び注目が集まってきています。これまでは、コストと品質のトレードオフとみなされてきたオフショア開発ですが、昨今の現地のスキルの向上により、その品質は日本国内ベンダーとも引けを取らないという評価も耳にします。 オフショア開発のやり方は様々あり、例えば、「日本側の開発ベンダーがプロジェクト主体者となり、海外法人のベンダーに開発を依頼する」ケース。あるいは、「海外拠点それぞれにプロジェクトマネジャーを配置し、それぞれでベンダー開発を依頼し、日本側はあくまで全体管理のみ行う」ケースなどが代表例です。

ポイント1:各チームメンバーとの対面で会話する機会を設けること

グローバルプロジェクトを成功に導くもっとも大事なポイントは密接なコミュニケーションです。その密接なコミュニケーションを構築するためには、少なくとも一度、対面で会話する機会を設けることをおすすめしています。

プロジェクトでは、得てしてなかなか重要事項が決定できなかったり、スケジュール通りにすすまないことが往々としてあります。その時、迅速な解決につながるかどうかは信頼関係のあるチームビルディングができていたかどうかに左右されます。チームビルディングとしての顔合わせはプロジェクトキックオフのタイミングがベストです。キックオフとして、プロジェクトの目的、全体スケジュール、各国の役割と責任の認識合わせ、疑問、要望、不安、思い等共有することで仲間意識が芽生え、同じ方向に進むことができます。 キックオフのタイミングで行うからこそ、ニュートラルな視点での意見交換が可能となります。

そして、キックオフミーティング後には、交流の場として懇親会の席を用意することでよりお互いの性格などを理解を深める事ができます。 なお、あくまでお酒はスムーズな会話を引き出すためのツールですので、嗜む程度にしてくださいね。

ポイント2:意見をはっきり伝えること

意見をはっきり伝えるなんて当たり前と思うかもしません。しかし、今伝えているよりも3倍ははっきり伝えることが必要と考えてください。例えば、以下に挙げたことに思い当たる節はありませんか?

  • 言いたいことがあるが、雰囲気もあるし、推測してくれる相手なのではっきり結論を言わない事がある。
  • 反対意見は批判されていると感じてしまうし、反対意見に対して説明する議論は苦手なので遠回りな伝え方をして、なんとなく議論を終了させても問題はないと考えている。
  • メンバーとは信頼関係が構築できているので、なんとなく伝えたらいい感じに作業を進めてくれると信じている。

これらのケース、一見日本で考えれば美徳とも捉えられますが、グローバルプロジェクトは確実に前進しません。日本側は伝えたはずなのに期待しているアウトプットを出てこず、お金を無駄になっていると嘆き、他の国のチームは、日本側は何も意見がないし、何も言ってこない、決断力がないチームだと思われ、人間関係も悪化していきます。

日本流の考えはグローバル・スタンダードではないと心得て、今伝えているよりも5倍意見や依頼事項をはっきり言葉として伝えることを心がけてください。 ちなみにはっきり言い過ぎることは失礼と取ることがあるのは日本人だけだと思ってください。10倍はっきり伝えて接することの方がプロジェクト進行では間違いありません。

ポイント3:スケジュールに柔軟性をもたせること

プロジェクトはウォーターフォール型とアジャイル型の2種類があります。ウォーターフォール型は、ローンチまで細かいスケジュールを計画し、それぞれのフェーズでタスク・成果物が定義され、1つ1つ計画通りに進めるものです。これまでのリニューアルプロジェクトの多くで採用されたものです。

ただ、ウォーターフォール型でネックになることは、プロジェクトの進め方に対して同じ認識を持っていること、もしくは密にコミュニケーションを取りながら、それぞれのフェーズの品質を担保し、次フェーズに進む必要があることです。

グローバルプロジェクトの場合はそれぞれの国ごとにプロジェクトの進め方の「あるべき姿」がどうしても異なってしまい、例えローンチまでの細かいタスクやスケジュールを計画しても、予定どおり進めることが難しくなりがちです。そしてウォーターフォール型では少しの遅れが大きな遅れにつながってしまいます。

グローバルプロジェクトを進める場合は、アジャイル型の精神を取り入れることをお勧めします。それは、最初から最後まできっちりタスクや計画を立てるのではなく、ざっくりしたローンチまでの大枠な計画のみ描き、それぞれのフェーズ内はある程度の手戻りやタスクの前後関係の変更を吸収出来るようにする。同時に、タスク同士の依存関係が少ないよう柔軟に設計をするというものです。

価値観が異なると当たり前のことが当たり前ではなくなるので、細かいタスク・スケジュールの遅延や想定外ですら当たり前と受け止めましょう。そうして、大枠でのタスク・スケジュールの管理を心がけ、柔軟な変更に動じないように管理していくことが大事になります。

想定外ですら当たり前という事実。

グローバルプロジェクトを成功させるための秘訣は3点です。これは、どのプロジェクトでもあたり前のことだと思えるかもしれません。確かにそれは正しいです。 勿論当たり前のことなのですがグローバルプロジェクトでは多国籍ゆえの、文化・認識の違いから想定とは異なることが当たり前に起こります。想定外のことでさえ当たり前なので、当たり前を当たり前にすることは非常に難しいものです。 当たり前だと思う認識合わせの重要性、はっきりと伝えることの大切さ、不測の事態を吸収できる柔軟性について、今一度、心構えを持ってほしいと考えます。

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