テクノロジーが進化している今、改めて問いかける。CXとは?

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2019年2月19日・20日に開催された、ガートナー カスタマー・エクスペリエンス&テクノロジサミット2019に参加しました。今回はそのレポートをお送りします。

カスタマーエクスペリエンス

ガートナーと言えば、各市場のリサーチの集大成であるマジック・クアドラントで有名ですが、しばしばイベントも開催しています。

ガートナー イベント カレンダー(Events Calendar)

今回は、「CX(カスタマーエクスペリエンス)」に焦点を当てたイベントでした。但し、単なる「CXツール」の紹介と言った内容ではなく、「改めてCXを理解しよう!」という様相で、振り返りの意味でも非常に学ぶものが多かったです。

なお、CXの具体例を知るには、外部セミナーへの参加も良いかもしれません。

顧客にとっての最高のおもてなしとは?カスタマーエクスペリエンスの本当の姿

改めて、CXとは?

CXという言葉は、既に市民権を得て久しいですが、改めてCXとは何なのでしょう?

CX=Customer Experience=顧客体験

直訳すれば、CXは『顧客体験』という言葉になります。顧客は、何か価値を感じるものに対して、対価を支払います。これまでは、その価値というものが物理的なモノ(商品自体)でした。

ところが近年では、対価となる価値が、コト(体験)になってきています。デジタルの世界では、CXを評価する指標は、顧客満足度やNPSが該当するものと言えます。

ここで「CXを考える上で、ただただ顧客満足度やNPSを上げるだけでよいのでしょうか?」…という問いかけが今回のイベントでの趣旨だったのだろうと感じています。

自社内でCXを考えるための3つのポイント

 

1.組織や文化

自社内の個人、もしくは自部署でCXを考える場合、その概念は共通化されていることでしょう。CXを測定する方法もきちんと整っているはずです。

例えば、顧客満足度をKPIにしたり、解約件数をKPIにしたり・・・などです。 しかし、果たして自社全体で考えたときには、そう上手く共通概念となっているのでしょうか? 企業はとかく縦割り・サイロ化しがちです。

部門の業務に集中するがため、『自部署にとってのCX』を考えることになりがちです。

しかし、CXを考える上では企業対カスタマーの対峙であるべきです。 ある企業のとある1部門の測定するCXが高かったとしても、別部門の測定するCXが低かった場合、総じて企業としてのCXは下がることになるでしょう。

自社全体でカスタマーに向き合うには、自社の企業文化を変える必要があります。企業文化を変えるには、「ビジョンを定め」「従業員のモチベーションを高め」「顧客に共感を抱き」「顧客に価値を提供する」ことを徹底することが重要です。

2.アナリティクス

意思決定者にとってアナリティクスは、強力な武器となります。これまでは世の中の複雑なことはアナリティクス(というより集計)によって抑え、管理してきました。しかし、昨今のアナリティクスでは、即時性が高くなり、複雑性にも対応できるようになってきています。

顧客の思考は複雑です。顧客は複数のチャネルで企業と対峙しています。現在のアナリティクスでは、マルチチャネルでの複雑な顧客の行動・思考すらも推し量れるようになってきています。

3.CXソリューション

デジタルが進化し、CXに関連するソリューション・ツールは多くリリースされ、その進化には目を見張ります。

しかし、CXソリューションを適切に選択し、自社にとって最適な顧客エンゲージメント・ハブを構築することは非常に難しいです。今後、言わばCXスタックを構築することが、企業にとっての再重要事項となることでしょう。

顧客に対してデジタルエクスペリエンスを提供するためには、DXP*を導入することも検討の余地があります。 これまではWCM**として、コンテンツの管理までが主流でしたが、現在ではコンテキストまでを感知できるDXPの導入が必要とされています。

また、この先AIも、より顧客エンゲージメントの高める為に必要になってくることでしょう。 これまでは、顧客エンゲージメントを高める手法は、人手の経験や推測に基づく、半ば賭けの部分がありました。

しかし、膨大なデータを揃え、AIによる分析がなされれば、顧客エンゲージメントを高めるための確実性が驚くほど高まります。

ただ、重要なことは、人とマシンどちらかだけ、では成り立ちえず、相互互助として、人とマシンの共生関係を作り上げることが重要になっていきます。

*「DXP」とは「デジタルエクスペリエンスプラットフォーム」の略称で、デジタルエクスペリエンスを一貫して管理、提供、最適化するためのプラットフォームです。デジタルエクスペリエンスはユーザーがWeb上で体験する全てのことを指します。
**「WCM」とは、「Webコンテンツ管理」の略称で、Webサイトを構成するコンテンツの管理を行うシステム、ツールのことです。CMS(コンテンツ管理システム)の方が耳馴染みがよいかもしれません。

CXリーダーを立てることの必要性

企業にとってCXが重要であることは疑うべくもありません。しかしながら、どうしてもCXの計画は分散化、あるいは計画立っても立ち消えになることが多くあります。この理由は、「CXリーダーの不在」によるものと推測されています。

各企業に質問したところ、「CXが上手く行っていないと回答した企業の殆どが、CXリーダーがいないと回答した」そうです。この結果には相関関係が見られたようです。

近年日本でもようやくCXOという役割が認知をしてきていますが、 先んじてCXリーダーという役割を、役員レベルで指名し、正しく権限と責任を追わせることが必要になってくることでしょう。

CXの具体的な取り組みを理解する

本イベントは「結局CXとはなんなのか?」という概念を理解するものだったと捉えています。自社でCXの取り組みをするには、具体的な活用事例を理解することが必要でしょう。

カスタマーエクスペリエンスの本当の姿セミナー

来る2019年3月13日に、CXの具体的な事例を紹介するセミナーが開催されます。 CXの概念を理解した後、具体的な事例を収集するために参加してみては如何でしょうか?

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