【海外最新イベントレポート】Oracle Modern Customer Experience2019@Las Vegas

3月19日から3月21日にラスベガスで開催されたOracle社主催のイベント「Modern Customer Experience」(以下、MCX)に参加してきました。本イベントは数多くのBtoB大手企業において採用されるEloquaが中心のイベントであり、BtoBマーケティングの今後のトレンドを予感させるセッションやブースの展示が多くありました。今回はMCXを通じて感じる事ができた3つのトレンド予測をお伝えします。

①フェーズ横断のCXエコノミー

「CXエコノミー」とは、Oracleが次の様に定義しています。

マーケティングだけでなく、セールス、マーケティング、サービス、コマースの各フェーズを顧客軸で統合的に捉え、一貫性を持ちパーソナライズされた顧客体験を提供する取組み

Oracleは今後、Oracle CX製品としてCXエコノミーをサポートするソリューションをリリースしていく、というビジョンを掲げています。もちろん、EloquaもこのCX製品の一つに含まれています。

個人的には、「CXエコノミー」という単語で表現することや、チャネルをセールス、マーケティング、サービス、コマースとする分類は果たして良いのだろうか?というクエスチョンは持ちます。とはいえ、昨今のCDP(Customer Data Platform)トレンドが加速度的に進んでいる、加速度的に注目されている理由のひとつが顧客の包括的理解とパーソナライズにあることは否めません。

今後より一層、顧客体験の向上について重要視されることは以下の2点ではないかと考えます。

  • 顧客に最良の体験を提供するためのテクノロジースタックの検討(マーケティングやセールスといったフェーズで顧客を分断することが合ってはなりません)
  • 顧客志向な組織体制の検討(機能カット、事業部カットなど、従前の体制ではなく、組織として顧客とどう向き合うか?ということ)

ここで、Oracle社CEOのMark Hurd 氏が講演で述べた言葉が印象的だったので、以下にご紹介します。

『たった1本のずれた電話が企業への信頼を損なうこともある。顧客視点で見れば、企業側が定義する「フェーズ」や画策する「施策」は関係ない。全て一繋ぎの”顧客体験”なのである。』

②データを繋ぐテクノロジー「オーケストレーションプラットフォーム」

オーケストレーションプラットフォームとは、誤解を恐れず端的に表現すると、「自社のあるツールのデータを、自社の別ツールへと連携する(すなわち、自社スタック内におけるツール間の)ハブのようなもの」です。

イメージではわかりにくい部分もあるので、具体例を挙げると、「Eloquaのコンタクトデータをある条件下で抽出し、そのデータをトリガーにして、Salesforceのコンタクトオブジェクトに更新をかける」というツールを超えたスタック内でのデータ連携を可能にします。

鋭い方は「それってCDPで実現することなのでは?」と思うかもしれません。しかし、USではもはやCDPは顧客データベースでしかないととらえられています。これまでのような「CDPがあれば何でも出来る!」という夢見がちな理想論は既に皆無と言っていいでしょう。(個人的に一番カルチャーショックを受けたのは、「オーケストレーションプラットフォームはCDPと違うの?」と聞くと、ほぼ確実に「No、あれはデータベースだ」と返されるケースが多かったことです。)

そうした時に、マーケターが思い描くような施策への連携やツール間データ連携を補完する位置づけで台頭しているのがオーケストレーションプラットフォームというわけです。

データ抽出→加工→連携という流れの中で、加工の部分に各ツール特色を持っており、スタックをより活用するためのアイデアに繋がりそうな興味深いツールがいくつかあったので共有します。

抽出したデータを元にしたターゲティングに強みを持つ「Shure Shot」
https://sureshot.io/why-sureshot/

各ツールから取り出したデータを同一ロジックでクレンジングし、ツールへ戻すことでスタック内でのデータ品質を向上する「OpenPrise」
https://www.openprisetech.com/

データの更新や顧客の行動などのトリガーを元にワークフロー化する 「Tray.io」
https://tray.io/ (簡単な例では顧客行動をベースSlack通知をする、などが実現できます。)

その他、ブース出展はしていませんでしたが何度かDMJでも登場しているLyticsやLookerなどもオーケストレーションプラットフォームの側面を持つツールと言えるでしょう。これらは全て、テクノロジートレンドとして抑えておきたい分野です。

③HtoH(Human to Human)マーケティング

最後は、BtoBでもBtoCでもないHtoH(Human to Human)という新しいようで普遍的な考え方の紹介です。

例えば、対企業でやり取りを行う相手も1人の消費者であり、ビジネスにおいて実施した行動や新たな発見をソーシャル中心にシェアすることが多くなっています。そして、ソーシャルシェアのきっかけの多くが「感情の動き」に作用します。だからこそ、企業としてのやり取りだからといって機械的な文章や対応をするのではなく、人と人との対話(よりフランクに、時にはジョークを交えるなど)を意識して、顧客の感情に作用できるような意識、取り組みを「HtoH」として考え、マーケティング活動に活かすべきでしょう。
(但し、「HtoHという表現」はまだ根付いてはいない様子で、人によっては「BtoB Selling in BtoC」という表現をしていました。)

HtoHは、改めてソーシャルでのやり取りだけでなく、MAで配信するメール、オウンドメディアの記事などでも心に止めておきたい考え方でしょう。

日本でもLinkedinやFacebookなどでビジネスマンが企業やサービス、プロダクトをシェアするシーンは多いです。また、スタートアップでは、積極的にソーシャルメディアをマーケティングに活用していたりします。BtoBにおけるコミュニケーションはどうしても固くなりがちですが、他人行儀ではない、顧客と密接した関わり方をしていくことは時代にも合っているのでは、と感じました。

 

Oracleのイベント自体の感想では、マーケティング色は薄れてきており残念な気持ちがある一方、その位置づけは縮小されたのではなく、顧客を中心にすることに大きくシフトしている感覚もありました。 今回挙げた3つのトレンドは、引き続きウォッチしていくべきでしょう。 

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