Salesforce?Dynamics?マーケティングテクノロジースタック時代におけるCRMの選び方

CRMは、「マーケティング&セールス部門で顧客との関係強化をするには?」という課題がある場合に検討される筆頭候補のツールと言えるでしょう。  

CRMは、英語の「Customer Relationship Management」の略語であり、「顧客関係管理」、「顧客管理」などと訳されます。その言葉通り、顧客との関係を構築・管理するマネジメント手法やツールを表しています。  

実はCRMと一口に言っても、様々な領域があり、IDC Japanの国内CRM市場予測レポート*によると、「コンタクトセンター」「カスタマーサービス」「マーケティング」「セールス」の4つの機能に分類されます。
*参考:国内CRM市場予測レポート  

その他、CRMは、大規模なものから業種特化型のものまでありとあらゆる種類が存在し、生半可には選ぶことが出来ません。そこで今回はCRMを検討する際に重要な視点について解説していきます。  

CRMを選定する前に心掛けるたった2つのこと

どのCRMを選ぶかというフェーズに入る前に、「なぜCRMを導入するか?」、そして「CRMツールを利用してどんな課題を解決したいか?」を明らかにすることが重要です。

  CRMを導入しても「情報が正しく入力されない」「情報が集まらない」と言った、後悔の声を非常に良く聞きます。この原因は、実はCRM(ツール自体)の問題ではないことがほとんどです。


では原因は?というと、『マネジメントや業務フローに問題点があるにも関わらず、その問題を解決しないままに、CRMを導入してしまっていたから。』というケースに本当によく出会います。
あくまでCRM(ツール自体)は、現在の業務の補助となるものですので、現在の業務課題をきちんと洗い出し、改善が必要な点については、きちんと改善する方法を決めておかなければなりません。そのためには、今までのやり方を捨てるという決断も重要となります。  

自社の業務や課題の洗い出しが完了したら、次に課題を解決するために必要なCRMの機能を洗い出していきましょう。その機能の内容により、選ぶべきCRMは異なります。もちろん、前述の通り、全てをCRMの機能で解決しようとはしないでください。

CRMにおける市場シェア

ガートナーの調査によると、海外市場の製品シェアではセールスフォース(18%)がトップを走り、SAP(9%)、オラクル(7%)、アドビ(5%)、マイクロソフト(4%)と続きます。 一方で、日本国内では、過去のご支援経験からセールスフォースとマイクロソフトが過半数を占めていると思われます。  

日本国内では、CRMの導入可能なパートナーの多いセールスフォースとマイクロソフトの2強となっています。特にマイクロソフトは、グループウェアソフトとしても大きなシェアを占めているため、導入ハードルが低くなっていることが考えられます。また日本オラクルやSAPジャパンのCRMは、ERPの既存顧客の間で導入の選択肢となりやすい背景があります。

CRMを選定する上での重要な視点

上記のシェアを鑑みるに大きな要素となっているのが、既存の導入システムとの連携のしやすさです。すでに導入済みのグループウェアやERPとの連携のしやすさが、グローバルメガベンダーのCRMを選択しやすくしています。   ただし、CRMの本来の特性上ERPやグループウェアの連携よりも、より顧客との接点となる、マーケティング機能面を重視する企業も増えています。  

グローバルメガベンダーは買収を繰り返し、各機能を取り込もうと動いていますが、一つのベンダーツールですべての機能を賄うのは不可能に近くなっています。

参考記事:一年の締め括りに!マーケティングテクノロジーの最新動向まるっとおさらい

そのうえでツールを選定する上で大事になってくる考え方が、各ツールの“良いとこ取り”をした「ベスト・オブ・ブリード」での環境整備です。 各社、各ツールに特性や強みがあり、分野で区切ればNo.1となるツールが沢山存在するからです。そのため、各分野でのNo1のツールを選び、その選んだツール同士の連携のしやすさが重要となります。例えば、セールスフォースでは、APIを用いた比較的簡単な連携方式が提供されており、それを補助するベンダーも増えています。

参考記事:マーケティングテクノロジーはSuitesとBest-of-Breed どちらの戦略で考えるべきか?  

CRM選定で外せないポイントを理解する

ツールを組み合わせる視点は、これからのマーケティングテクノロジースタックを考えるにあたり重要です。しかし、意外と自社の必要な機能に対して、連携自体やカスタマイズが不要な場合もあります。(ツール間での連携自体が不要、というケースです。)現状の課題や業務の洗い出しは、無駄な連携や不要なカスタマイズを防ぐためにも重要となります。  

最終的な選定のポイントとしては以下の5つの点があげられます。

  1. 必要な要件
  2. ライセンス費用(予算)
  3. 導入ベンダー
  4. データ移行
  5. トレーニングとサポート

1.必要な要件
現在国内のCRM選定は、セールスフォースとマイクロソフトが主流と述べましたが、自社のビジネスが、特定の業種やサービスに特化している場合、その業種専用のツールを選定したほうが、導入・カスタマイズ費用を押さえられる場合があります。  

2.ライセンス費用(予算)
国内でCRMを導入するにあたり、セールスフォースは最初に候補にあがるツールです。しかし、ライセンス費用が高めなため、中小企業の予算規模によっては諦めざるを得ないかもしれません。  

3.導入ベンダー
どんなに良いツールでも、自社のリソースだけで導入することはなかなか難しいものです。そのため、ツール選定に伴い、導入ベンダーや保守ベンダーも選定する必要があります。 導入ベンダーや保守ベンダーはそのツールを熟知しており、的確なアドバイスが出来るベンダーであるべきです。

また、ツール側でも、導入パートナーを多く抱えていれば、それだけ選択肢も広がります。そのため、ツール選定の際には導入パートナー数も見逃せないポイントです。 パートナーによって導入期間にばらつきが出ることもあります。導入後3ヶ月は定着フェーズと言え、少なくともこの期間には様々な課題が出てくるため、丁寧にフォローしてくれるパートナーを選ぶと安心感が増します。  

4.データ移行
CRM導入に合わせて、データクレンジングや名寄せ、統合を実施する必要があります。これは、他ツールとのデータ連携や統合をスムーズに完了させるために不可欠です。 そのため、選定するツールが、どの程度のデータ移行・クレンジングが出来るかが、重視したいポイントとなります。

もちろん、データクレンジングなどが必要ない場合は、そもそも選定するツールに、その要素が必要ありません。 また、導入パートナーには、データクレンジングが得意でない場合もありますので、あわせて確認しましょう。  

5.トレーニングとサポート
CRMは多岐に渡る機能があるため、管理者やユーザーが利用方法を覚えるまで、時間がかかります。初期に覚えずに時間が経ってしまうと、そもそもの利用ハードルが上がり、使われなくなってしまいます。そのため、導入初期にしっかりとしたトレーニング計画と体制づくりが重要となります。当然、導入後にも使い方が分からなくなることもよくあるので、長い間きちんとサポートしてもらえるよう、サポートサービスの締結をおすすめします。  

CRMは元々はコンタクトセンターや営業部門での顧客情報管理に利用されるケースが多かったツールでした。しかし現在では、管理する情報の中にマーケティング活動の情報やデジタル接点の情報など含まれてきており、管理が必要な情報が、多岐に渡っています。  

改めて、「なぜCRMを導入するか?」、そして「CRMツールを利用してどんな課題を解決したいか?」を明らかにしながら、選定・導入を進めるのがよいでしょう。

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