デジタルマーケティングにおける新しいフレームワーク”5P”とは

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近年、顧客データを継続的に統合管理する概念・ツールとしてCDP(Customer Data Platform)が注目されています。今回はCDPツールベンダーの内の1社であるLytics社が考案した、デジタルマーケティングにおいて必要な新しい5P戦略をご紹介します。

なお、デジタルマーケティングジャーナルの連載企画として、「各CDPツールベンダーへのロングインタビュー」を実施しています。今回ご紹介する5Pを提唱するLytics社のインタビュー記事も公開準備中ですので、乞うご期待ください。

おさらい、今までのマーケティングで提唱されてきた5P

モノやサービスを市場に広げていくためのマーケティング戦略を考えていく際、従来より使用されてきたフレームワークのひとつに5Pがあります。少しおさらいしてみましょう。

  • Product(製品): 市場や顧客をリサーチした上でどんな商品・サービスを開発するかの検討
  • Price(価格):市場で販売する上での価格設定の検討
  • Place(流通):製品を市場に流通するための流通経路や販売する場所の検討
  • Promotion(販売促進):製品・サービスを認知してもらうための広告・イベントの検討
  • People(人):商品・サービスのターゲットの検討

しかし、デジタルのマーケティング戦略については、なかなか従来の5Pに当てはめることができませんでした。そこでLytics社は新しく5Pを提唱しています。
(なお、元々このフレームワークは「People」を抜いた4Pとされていました。)

デジタルマーケティングで必要な新しいLytics流”新5P”

 

P1: Personalized(パーソナライズ):ユーザーひとりひとりの趣味嗜好を分析する  

従来、新しい商品・サービスや市場拡販する際にはターゲットを決め、そのターゲットのペルソナを設定していました。ペルソナの設定は、予算と時間を確保して複数人にヒアリングをかけて作成します。しかし、実際はこのようなペルソナ作成を行うことが難しいため、今までの経験及びデータを元に仮想でペルソナを設定することが多いでしょう。

改めて考えてみましょう。その簡易なペルソナは本当に実用的と言えるのでしょうか?消費者一人ひとりで、欲する情報や購買する動機、タイミングは異なります。その違いはペルソナから把握することはできないのではないでしょうか? そこで、「データ」をもとに、より顧客一人ひとりを深く知り、それぞれの顧客に対して最適な顧客体験を提供していく必要があります。  

Lyticsでは、様々なツールから収集したデータを統合し、顧客個々の趣味嗜好、行動時間、エンゲージ度合いなどをわかりやすく分析した形で表示することが出来ます(下図参照)。 このデータから、対象顧客に向けて、どのような形でどのタイミングでマーケティング施策を打てば効果的な結果を得ることができるか、推測することができます。

表示されている内容について

  • Aエリア:再エンゲージメントの可能性、現在のエンゲージメントレベル、ユーザーインタラクションの頻度など、すべてのチャネルでのユーザーエンゲージメントをすばやく理解できます。
  • Bエリア:ユーザーの今までの行動を6つのスコアに分けて表示することで、行動パターンを理解できます。
  • Cエリア:ユーザーが今まで興味を持ったキーワードや閲覧したコンテンツのデータを元にユーザーが興味のある関連コンテンツを表示しています。
  • Dエリア:チャネル別(電子メール、ウェブ、モバイルなど)の最近の行動を表示しています。(最終日または過去30日間)
  • Eエリア:ユーザーの時間軸での行動パターンを表示しています。

P2: Pervasive(普遍性) :様々なチャネルのデータを統合する  

P1の”Personalize”の精度を高めるためには、個々の顧客に関するより多くの情報を収集することが大切になってきます。顧客の行動データはオンライン広告やメールのアクティビティ、Webサイトのアクセスなどオンラインのものから、イベント参加、電話対応などオフラインのものと顧客接点は多岐にわたります。  

多くの企業は、非常に有益なデータを多く保有しているのですが、残念なことにデータが自社内の様々なところに点在している場合がほとんどです。この点在しているデータを統合してマーケティング施策に利用できるデータとして加工できるのがCDPツールと言えます。 

Lyticsでは様々なチャネル(オンライン、オフライン共に)を連携できるコネクタが準備されており、既存にないものは開発依頼することが可能です。コネクタを有効にすることで、各チャネル間とリアルタイムにデータが連携され、顧客行動データがリアルタイムに更新・蓄積され、常にLytics内ではデータを最新の状態に保つことができます。

(表示されているコネクタは一部)

P3: Present (リアルタイム性):リアルタイムにアクションを起こす  

毎日莫大な情報に囲まれている世界で生きている顧客に対して、適切なタイミングかつリアルタイムに企業からアクションを起こせることは、他社との大きな差別化要因になり、競争上で優位になりえます。従来は企業側のタイミングでしか顧客に対してメールの配信や広告を表示することができず、タイミングを間違えることでコンバージョンのチャンスを失うばかりでした。  

Lyticsでは、決めたゴールに向けて様々な顧客体験を準備した上で、顧客それぞれのタイミングでコンバージョンに向けての施策を自動実行することが可能です。この状況を作れる理由は、P2”Pervasive”でお話しした、リアルタイムでのデータ統合が可能であるためです。   

下図はLyticsで作成できる”ジャーニーキャンバス”です。ここでは達成したゴールに向けて想定される顧客体験(ステージ)及びマーケティング施策(メール、広告など)をいくつか準備して、顧客それぞれのタイミングでステージが進むように設定ができます。例えば、匿名顧客を実名顧客にするためのキャンバスを例としています。  

P4: Proprietary (独自性):自社独自のゴールにあったデータとキャンペーンフローを構築する  

多くの企業は、マーケティング施策に第三者が提供する3rd party dataを利用しています。3rd Party dataは消費者全体の傾向や人口統計、Web上を動き回るユーザーの関心、行動について、大まかなプロファイルを構築することが可能です。しかし、様々デジタルチャネルの接点が増えてきた現在、誰もが手に入るデータが必ずしも自社にとって適切ではなかったり、リアルタイム性がなかったり、情報不足のため効果的な結果を生み出せないという状況になってきています。

この状況は、P1〜P3までの一連の流れをもとに、他の企業とは異なる自社独自の最も最適な顧客獲得フローを作成することで、打破することが出来ます。

  1. 限り数多くのチャネルからのデータを収集(Pervasive)
  2. 顧客毎のパーソナライズされたプロファイルの分析(Personalized)
  3. 顧客データのリアルタイムアップデートとに適切なタイミングでリアルタイムのアクション(Present)

これは他のCDPにはないLyticsにしかない、カスタマージャーニーを意識し、顧客のフェーズに対して施策を自動実行していく「データオーケストレーション」に重きを置いたCDPと言われている所以です。

P5: Predictive (予測):ユーザーの行動を予測して施策を打る  

Lyticsのもう一つの強みは収集した莫大なデータから、機械学習機能を通して類似顧客の比較で顧客の行動を予測することです。Lyticsは”Present”で紹介したジャーニーキャンバスの各マーケティング施策(メール、広告、表示するコンテンツなど)を機械学習を通して、最も効果的なセグメント、マーケティング施策の実施順序や施策を提案してくれます。

実際、Lyticsを利用しているユーザーからは、機械学習の予測をマーケティング施策を実施したことで、より高いコンバージョン率や顧客獲得に成功したという声を多く聞くことができます。 これをもし、人的に顧客の行動を想定してカスタマージャニー組んだり、セグメントを作成しようとすると、相当の時間や工数がかかります。到底同様な効果を出すことはできないでしょう。

まとめ  

マーケティングの形が大きくシフトし、デジタルのチャネル接点が増えている昨今、より顧客一人ひとりに寄り添ったデジタルマーケティングの戦略が必要となってきます。その戦略としてLyticsが新しく考案したのが新5Pであり、新5Pを実現できるのはCDPだけと考えられています。ぜひ今後のマーケテイング施策を検討・実施していく際には新5Pというキーワードを掲げてみて下さい。

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