【連載企画・前編】インサイトとキャンペーンをシームレスに結ぶCDP「Lytics」とは

デジタルマーケティングジャーナル(DMJ)にて連載企画が始動。今回のテーマは、「各CDPツールベンダーを訪問し『CDP』についてのロングインタビューを行う」というもの。今回はLytics(リティクス)前編(全2回)をお送りします。

CDPの参考記事:カスタマーデータプラットフォーム(Customer Data Platform、CDP)とは?
Lyticsのウェブサイトはこちら。

6月に米Lytics社(リティクス)のCEO James McDermott(ジェームズ・マクダーモット氏)が来日しました。今回はマクダーモット氏への直接インタビューを行いました。
※インタビューは全編英語で実施。アンダーワークスにより翻訳。

―アメリカでのCDP市場の現状を教えてください。

マクダーモット氏:

アメリカの多数の企業は、顧客をもっと理解し、顧客データから得たインサイトを使い、各ユーザーに最適なエクスペリエンスを提供出来ることを目指している。

高度な顧客データを手に入れた企業が次に必要とするのは、パーソナライズ・ユーザーエクスペリエンスを実現する“システム”だ。そこで、多数の企業はCDP (Customer Data Platform)に目を向け、この1年半でCDPの認知度は大幅に向上し、導入も進んでいる。

現在のアメリカのCDPシステムは、大きく次の2つに分けることができる。それは
1.統合型顧客データセットを構築するITチーム向けのCDPシステム
2.インサイト活用、意思決定、ツール統合を重視するマーケター向けのCDPシステムだ。

前者(1)に当たるシステムは、Segment(セグメント)、Tealium(ティーリアム)、Ensightenなどがあげられる。タグマネージャーの機能を元に、様々なデバイスから顧客データを収集し、各種のツールと連携する。このようなソリューションは顧客データセット構築には役立つが、インサイト活用、パーソナライゼーションや意思決定には役立たないのではないかと考えている。

特に、マーケティング担当者にとっては、データ統合そのものは目的ではない。マーケティング担当者がCDPシステムに求めることは、顧客データを分析し、得たインサイトの活用やパーソナライゼーションを実現することだ。

弊社のCDP、Lyticsでは、当然顧客プロフィールやデータセット作成、データ抽出などCDPの一般的な機能も備えている。しかし、よりLyticsが重要視していることは、マーケターが必要とする顧客データを活用し、パーソナライズ・キャンペーン実を可能にすることだ。

まず、Lyticsはマーケター向けのCDPであるため、コーディング知識が要らない直感的なユーザーインターフェイスを採用している。さらに、顧客データからのインサイトを直接キャンペーンに活用できるように設計されており、同じワークフローで使えるようになっている。各インサイトの下でボタンを押すだけで、対象顧客をターゲットするキャンペーン構築を開始できる。こういった機能は、他社にはないLytics独自のユニークな機能と言えるだろう。

―マクダーモット氏は以前、Webtrendsという解析ツールを提供している会社にお勤めされていたと伺っていますが、どういう発想でCDPサービスに目をつけられ、事業とされましたか?

マクダーモット氏:

Webtrends社で働いていた頃、同社は大規模のデータを収集し、レポートを作成し、マーケターへ提供していた。しかし、マーケターはデータからインサイトを得ても、直ちに該当データセットをワークフローに入れて使うといったことが不可能な状態だった。

そこで、私は『マーケターがインサイト得たらすぐに利用できる』ように、インサイト自体をマーケティングワークフローに入れることが必要だと考えた。この点に注意しながら、我々は2年間をかけて「マーケター用のCDP」を開発した。インサイトから直接マーケティング活動につながることはCDPのコア・バリューである。

―Lyticsを導入して、実際にキャンペーンを始めるには、どのようにすれば良いですか?

マクダーモット氏:

第一歩としてカスタマージャーニーを計画し、ジャーニー中の好機や起こりうるリスクを観察すべきだ。その観察に基づき、ジャーニーをさらに最適化し続けることも大事だ。キャンペーン目的に合わせて、既存のベストカスタマーを選定し、類似モデルを作成することで似ているプロフィールの顧客をターゲティングできる。

もう一つのキャンペーンアプローチは、ウェブサイトを訪れているすべての匿名ユーザーを特定し、まずはメールアドレスを登録してもらい、適切な時に最適な製品をユーザーに紹介するメールを送信する、ということだ。

画像の説明:Lyticsシステム内、インサイトとキャンペーンの仕組み
画像の説明:Lyticsシステム内、インサイトとキャンペーンの仕組み

画面の右側で表示されている「レコメンドインサイト」によると、同ステージにある34%のユーザーはエクスペリエンス対象になっていない。当インサイト下のボタンを押すと、すぐに上記ユーザーを対象にキャンペーン(メール送信、広告表示など)を開始することができる。

マーケターにとって、過去に起こったことの分析より、将来につながる決定をサポートするデータが必要だ。このような先を見越したデータを提供するためLyticsは機械学習技術を使っている。

機械学習技術を利用し、メールアドレスを登録しそうなユーザー、アップセルが可能なユーザー、コンバージョン確率が高いユーザーなどを特定できる。このデータを元に、マーケターは対象のユーザーに対してキャンペーンを開始したり、適時に必要なコミュニケーションをとったり、適切な対応で顧客離れを防ぐことが出来る。結果として、マーケターが期待するとおりの売上向上に貢献できる。

―セールスフォースやアドビなどが提供しているMAツールや機械学習を使ったサービス(レコメンデーションなど)と領域が重なる気がしますが、その違いはどのように考えれば良いですか?

マクダーモット氏:

セールスフォースやアドビのソリューションには、確かに機械学習や予測機能がある。しかし、同ソリューションはシングル・チャネル用に設計されていると受け止めている。Lyticsは、それらのソリューションとは異なり、顧客全体のジャーニーの管理に適用できる。よって、それらとLyticsは競合とはならないのではないか。

CDPは多数チャネルから得られる顧客データや行動データを統合し、すべての顧客ライフサイクルやワークフローの管理・意思決定をサポートする。マーケターはインサイトなどを使い、ユーザーに最適なエクスペリエンスを提供しながら、顧客をファネルの中での次のステップに移動させていく。

そもそもLyticsを選んでいる企業は顧客に関する理解の集中化によって、顧客ジャーニー中の各ステージでのコミュニケーション管理や顧客生涯価値(LTV)の向上を目指している企業である。それら企業の求めに応じ、Lytics CDPはあらゆるMAツールやプラットホームからのデータを統合し、全ライフサイクルを通して顧客エクスペリエンスを整理し、管理するシステムを提供している。こういった点からも違いを理解してもらえると考えている。

 

如何でしたでしょうか?後半に続きます。

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